みなさんこんにちは。
SCD編の2回目ということで
疾患として遺伝性のあるものについて
説明をしていこうと思います。
孤発性の疾患についての詳しい話は
前回の記事をご覧ください。
前回でも説明した通り、
このSCDのにおける遺伝性の疾患は
全体の4割程度という風に言われており、
その疾患が遺伝するかどうかの判別は
両親の持つ染色体が大きなカギとなっています。
そんなわけで、
遺伝性のSCDの説明なんですが…
まず最初に遺伝性の疾患が
次の世代に受け継がれるための
形式について理解しておく
必要があると思いましたので
それについての説明から入ります。
常染色体の遺伝性疾患における方式とは?
染色体の異常でも発症するSCDでは、
・常染色体優性遺伝
・常染色体劣性遺伝
という2つのタイプの発症の形式があります。
人間は22対、44個の染色体を持っていて、
人間の持つ染色体へと振られている番号は
染色体のサイズを大きい順に
並べ替えた時のことです。(例外アリ)
その、人間の持つ染色体は
・常染色体
・性染色体
の2種類に分かれており、
性染色体は大きい順で21番目の染色体で
通常、男ならXYで女ならXXという
染色体を持っています。
これから紹介する常染色体の遺伝形式は
その性染色体のXやYといった種類に関係なく
異常のある遺伝子を持つ親から子が生まれる場合、
どういった形式の時に発症となるかを書いていきます。
常染色体優性遺伝
こういった神経内科系の疾患に関わる
授業でなくても、発達障害関係の
授業などで常染色体や性染色体の異常という話を
聞いたことのある学生さんも
多くいらっしゃることかと思います。
常染色体と性染色体をごちゃまぜに考えてしまう方も
いらっしゃるかもですが、
ここでは性染色体以外の染色体である、
常染色体の話で進めていきます。
話を戻して常染色体優性遺伝ですが…
正常な遺伝子をA、異常のある遺伝子をb、
両親の持つ染色体遺伝子を(A1,A2)と(A3,b)という形で
置き換えて考えてみます。
生まれてくる赤ちゃんの持つ染色体遺伝子は
両親の遺伝子をどちらとも持って生まれてくるので、
・A1,A3
・A1,b
・A2,A3
・A2,b
という形で誕生します。
Aとbが揃った時に発症する場合、
A○とbの遺伝子を揃って親と同じ形の
A2とbの場合に発症するというのが
常染色体優性遺伝です。
どちらかの親が発症している場合、
その発症した親と同じタイプの遺伝子を持って
生まれた場合に子供は発症する事になります。
というワケで、この常染色体の遺伝形式では
発症に性別が関係しない事がわかります。
常染色体劣性遺伝
常染色体の中に存在する遺伝子一対に、
両方とも異常な遺伝子を持って生まれてくる子に
発症するという形式です。
両親どちらかが異常遺伝子を持っている場合、
媒介するという意味合いの「キャリア」として
生まれてくる子供には異常遺伝子が
受け継がれる可能性があります。
両親の染色体を父がA、母がBとして、
正常遺伝子→大文字
異常遺伝子→小文字
とした時の形式について
説明していきます。
両親ともにキャリア(Aa、Bb)の場合
・AB(正常)
・Ab(キャリア)
・aB(キャリア)
・ab(発症)
子供がキャリアとなる確率は50%です。
正常、または発症する確率は25%となります。
[quads id=1][quads id=2]
親の遺伝子が正常とキャリア(AA,BbかAa,BB)のパターン
父が正常、母がキャリアという
パターンで考えた場合が以下です。
・AB
・Ab
・AB
・Ab
この4パターンのいずれかとなるために
発症することはありませんが、
子供は全てキャリアとなります。
しかし、かなりの低確率で突然変異を起こして
発症するパターンもあるとのことです。
親の遺伝子が正常と発症(AA,bb)のパターン
・Ab
・Ab
・Ab
・Ab
子供の染色体は全てこのパターンであるために
キャリアとなりますが、ごくまれに突然変異で
発症するパターンもあるようです。
最後に
SCDの遺伝形式の説明の前に
ひとまず事前知識として
染色体の遺伝形式の説明を
させていただきました。
この遺伝形式の話は
様々は遺伝性疾患を知る上で
避けて通れない知識なので
絶対に理解したい所です。
次回から実際のSCDの遺伝形式について
詳しく説明していきたいと思います。
今回も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
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